きみの好きな本

彼女のことを考えすぎないように、彼の好きな本などを読みます。

中島らもさんの『水に似た感情』

中島らもさんの『水に似た感情』を読みました。
 
最初の何分の何かくらいは、彼が好きそう、と思ってふふふとなっていました。逆に言うと、それ以外の感情が湧かないまま読み進めました。
 
ちょっとここでこの本から逸れた話をしたくなったので、すこし。
と思ったのですが、次のエントリーにします。
 
で、「人間は「島」だ」です。
この本に出てくる言葉の中で一番印象的でした。本文中にこの言葉が出てきたとき、すぐにこれがこの話の核となっているのであろう、と直感し、なにを言っているのかすぐに理解できたのです。
最近、人間の思考についてよく考えています。私の思考は、私だけのもので私以外は知ることができない。いろんな手段によって伝えようとすることはできるけれど、100パーセント伝えることはできないし、伝わっていることを確認する手立てすらない。
孤立している。
そう、感じるのです。
あとがきにかえて、で筆者は「人間はなぜ裸になって抱き合わないとわかりあえないのか。」と書いていますが、多分この言葉はカッコつけるために言いたかっただけでしょう。そんなことしたってわかりあえないのですから。
孤独。寂しい。ちょっと怖い。
何を考えているかわからないから動物は怖い、と彼や彼女は言いますが、動物ははなから何を考えているかわからないから怖くないです。
人間は考えていることを伝える手段があります。一応。だから時にわかりあえているような錯覚に陥ります。そのほうがよっぽど怖いと思うのです。
この話をすると彼女はいつも、そういうものかなあ、という顔をするけれど。
だから「島」と呼ばれるとしっくりくるものがありました。けれど島には孤立していることは性質としてあるけれど、孤独とか寂しさとかは必ずしも含まれません。
孤立は孤立。ただの、孤立。
それはいい意味でも悪い意味でもない、そんな感じがして悪くないと思いました。
しかも、海の水が引いたら、なんていう話が最後に出てくるもんだからこれには驚きました。根本的には地続き。そんな発想はなかった。でも悔しいけれど、これもまた納得してしまうのです。
どう理解したかを事細かに書くのは野暮なのでこの辺で。